ハードウェア増強記
ここでは自宅サーバ機のハードウェア増設にまつわるエピソードを書いておきます。
いつ誰の役に立つかは分かりませんが、とりあえず、メモって事で・・・(^_^;
※ FMV-5120D5 は96年2月に Fujitsu からリリースされました。当時としては、「超」ハイテク家電として発売された様です。
FMV-5120D5の詳細スペック
それでは、我がサーバ機のハードウェアの増強に関するメモをご覧下さい。
2003/06/15 追記
HDD の容量と BIOS の制限について
2003/06/08 に下牧さんより、HDD の容量と BIOS の関係について、以下の内容のメールを頂きました。
「HDD 8.4GB までしか BIOS で認識できなくても、137GB 未満だったら、Linux 側で正しく認識できる。
実際、私は、UNISYS の古い PC で、80GB の HDD を置換して、
samba サーバにしました。BIOS 画面では、8.4GB でしたが、RedHat Linux 7.3 インストール時には、80GBでした。」
これはつまり、BIOS で認識可能な HDD の最大容量を無視できると言うワケです。
これから、HDD の交換・増設をお考えの方には、とても有用な情報だと思います。
なお、ハードウェアの相性によってはこの情報が当てはまらない事があるかもしれませんので、ご注意下さい。
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ハードディスクを交換( 2.0 GB --> 6.0GB )
私が FMV-5120D5(以下、5120D5 ) を譲っていただいた時点でハードディスク(以下、HDD )は 2.0 GB でした。
Vine Linux の動作環境としては、十分なのですが、Web 用のファイル、メールボックス、各種ログ、家庭内 LAN 使用時のファイルサーバ的な役目、、、などなどを一手に任せるには容量が少なすぎる気がしました。
ここから、HDD を交換したい!という欲求に刈られ、web 上で色々調べた結果、5120D5 には幾つかの制限がありました。
私の場合、BIOS のバージョンアップに付き物の「リスク」を恐れ、BIOS のバージョンアップはしないと決意しました。
となると、HDD の上限は 8.0 GB となるので、ショップに 8.0GB HDD を探しに行きました。
8.0 GB なんて少ない HDD はなかなか見つからず、唯一見つけた 6.0 GB を購入しました。価格は、6000円位でした。接続は標準の IDE 。
HDD の取り付けはとっても簡単でした。今接続されている HDD のコネクタと電源を取り外し、買ってきた HDD に付け替えるだけ!
この時の注意点は、取り付ける HDD のジャンパピンをマスタに設定します。
新しく接続した HDD には OS が入っていないので、Vine Linux をインストールします。
インストール方法は当サイト上の Vine Linux で行っています。
ハードディスクを増設( 6.0 GB + 2.0 GB --> 8.0GB !!! )
HDD は 6.0 GB になったものの、取り外した 2.0 GB が余ってしまいます。2.0 GB と言えど、余らせておくには惜しいので、今回は増設という形で有効に利用します。
1.取り付けの前に
今回は、HDD の「増設」なので、「交換」とは若干設定が変わってきます。HDD の接続方法が IDE なので、ここで簡単に IDE について説明をしておきます。
IDE とは(内蔵)周辺機器を繋ぐ規格の1つでして、DOS/V マシンでは良く用いられます。IDE には、プライマリとセカンダリの2つのバスがあり、それぞれにマスタとスレーブの2系統が用意されています。ちなみに、Linux では IDE のデバイスは「 /dev/hdx (x=a,b,c,d) 」のような表し方をします。また、ハードディスクパーティションを分ける場合、「 /dev/hda1 」〜「 /dev/hda5 」の様に番号が与えられます。
■HDD の接続方法によってデバイス名が変わります
ドライブの接続個所 | デバイス名 |
プライマリのマスター | /dev/hda |
プライマリのスレーブ | /dev/hdb |
セカンダリのマスター | /dev/hdc |
セカンダリのスレーブ | /dev/hdd |
私の 5120D5 には、プライマリーのマスターに HDD が接続されていて、セカンダリのマスターに CD-ROM が接続されていたので、増設する HDD を プライマリーのスレーブ( /dev/hdb )に接続する事になります。
次に HDD のジャンパピンの設定を行います。IDE の HDD は、ジャンパピンでマスタかスレーブの設定を行う必要があります。HDD のメーカーによって設定方法が違います。付属のマニュアルやディスクそのものに設定方法が記載されている場合がほとんどです。特に、何も書かれていない場合はハードディスクメーカーのホームページ等に掲載されている場合もあります。
2.マシンに取り付け
早速マシンに取り付けますが、必ずマシンの電源を切った状態で作業を行って下さい。
増設する HDD のジャンパピンが必ず「スレーブ」になっていることを再度確認して下さい。
接続が完了すると、マシンを起動します。電源が入るとすぐに「 Ctrl 」+「 Alt 」+「 Esc 」で BIOS の設定画面を表示させます。(メーカーによって押すボタンは様々です。「 F1 」キーの場合もあります。各自ご確認下さい。)
メニューが起動したら、HDD のプライマリのマスターの項目を選択して、「AUTO」にして下さい。(この項目の細かい名前などは、忘れてしまいました。各自確認して下さい。)
増設した HDD の接続がうまく行っていればハードディスク設定欄に、プライマリのスレーブとして認識されているハズです。
設定・確認が出来たらセーブして再起動をかけます。
これでハードウェア的な設定は終了です。
3.パテーションの分割
増設した HDD の設定を行います。
root 権限でログインします。
dmesg コマンドを利用して、増設した HDD のモデル名があることを確認します。
dmesg コマンドをそのまま実行すると、文字が大量に表示される為目的である「 hdb 」が確認できません。そこで、|(パイプライン)less を併せて利用します。「 z 」キーを押すごとにページがダウンして行きます。
「 hdb 」に追加した HDD のモデル名や容量などが表示されていればオッケーです。
4.HDD のフォーマット
増設した HDD のフォーマットを行います。ここでの「増設」の意味は、一つのパテーション(領域)でフォーマットし、マスタの HDD の補助記憶装置的な役割を持たせます。「デュアルブート」を目的としているのではありません!
フォーマットには fdisk を利用します。fdisk は日本語でメニューが表示されるので、あらかじめ kon を起動しておきます。
# kon <-- fdisk のメニューが日本語で表示されるので、kon を起動 # fdisk /dev/hdb <-- hdb(増設した HDD の接続先)を指定して fdisk を実行 コマンド (m でヘルプ): p <-- 現在の状態を確認する。もし中に何か入っていれば "d" コマンドで削除します。 ( hdb 内に何も入っていない事を確認します。) コマンド (m でヘルプ): n <-- 新しいパーティションを作成する Command action e extended p primary partition (1-4) コマンド (m でヘルプ): p <-- 「p」プライマリパーティションを選択する Partition number (1-4):1 ← 新規増設であれば「1」番目のパーティション First Cylinder : 1 <-- 先頭のシリンダの指定 Last Cylinder : 523 <-- 終端のシリンダの指定 (ディスク全てを1つのパーティションにしますので、ここはハードディスクの シリンダ数と等しくなります。) コマンド (m でヘルプ): w <-- パーティションテーブルの書き換え (この作業を行わないと反映されませんやり直したいときなどは"q"をおせばそのまま終了できます。) コマンド (m でヘルプ): p ディスク /dev/hdb: ヘッド 128, セクタ 63, シリンダ 523 ユニット = シリンダ数 of 8064 * 512 バイト デバイス ブート 始点 終点 ブロック ID システム /dev/hdb1 1 523 2108704+ 83 Linux コマンド (m でヘルプ):
これで fdisk は完了です。
5.パテーションをフォーマットする
# mkfs -t ext2 /dev/hdb1上記のように「mkfs」コマンドを使い,fdisk で作成したパーティションをフォーマットします。オプションとして,「-t ext2」(Linuxファイルシステム),「/dev/hdb1」(hdbの1番目のパーティション)を付加します。
6.マウントするディレクトリを作成する
次にマスターの HDD のどのディレクトリに,/dev/hdb1 を関連付けるかを設定します。ここでは,「 /hdb 」ディレクトリを作成してマウントをします。
# mkdir /hdb (/hdb ディレクトリを作成)
# mount /dev/hdb1 /hdb ( /dev/hdb1 を /hdb にマウントを関連付け)
# ls /hdb ( /hdb の中身を表示)
これで、増設した HDD( /dev/hdb1 )は /hdb としてアクセスできる様になりました。
しかし、このままだとマシンを再起動するたびにマウントしてやらなければならないので、自動化を設定します。
7.起動時に自動的に /dev/hdb1 をマウントさせる
エディタで「 /etc/fstab 」を開き、以下を追加し、保存します。
/dev/hdb1 /hdb ext2 defaults 1 2
これで、HDD マウントの自動化は終了です。
ここで、マシンを再起動します。
再起動後、自動的に増設した HDD がマウントされているかを確認して下さい。
以上で、HDD 増設作業は終了です。
意外と簡単でしたネ!?
私は増設した HDD を LAN 内ファイルサーバ用の HDD として利用しています!
5120D5 をもらった時から HDD の容量が「 2.0 GB 」から「 8.0GB 」!。約4倍・・・。すげぇ!