IMAP の導入
IMAP( Internet Message Access Protocol ) とは、POP と同じくメールを受信するためのプロトコルです。
POP と大きく異なる点は、メールはサーバ上のメールボックスで管理されるという点です。
そのため、メールの内容(送信者やタイトル)を見てからメールを受信するといったことも可能です。
サーバ上のメールを完全に削除するまではメールの内容はサーバ上に保存されますので、
2台以上の PC を使っている方は非常に便利な機能だと思います。
お知らせ
このページの IMAP と、「 Postfix2 で SMTP-AUTH 」を導入すると、
外部からメールの送受信がスムーズに行える環境が構築できます。
サーバ上にメールを保存しておくという特性のため、サーバ上のディスク容量が必要になってきます。
非常に多くのユーザを抱えているメールシステムで IMAP を導入する場合には容量計算が必須になります。
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IMAP を実現させるために「 Courier-IMAP 」というソフトをインストールします。
管理が楽な rpm 版を apt-get を使ってインストールします。
まずは依存関係から以下のパッケージを削除
# rpm -e imap-2001a-10vl3
そして apt-get で Courier-IMAP をインストールします。
# apt-get install courier-imap
簡単すぎますが、これで Courier-IMAP のインストールは完了です。
それではさっそく Courier-IMAP の設定を行います。
基本的にはそのまま動作するようですが、今後 POP を使わない場合か POP3 over SSL を使わない場合には以下の設定を行います。
今後、POP3 を使わない場合
「 /etc/courier-imap/pop3d 」をエディタで編集します。
POP3DSTART=NO ← YES から変更
今後、POP3 over SSL を使わない場合
「 /etc/courier-imap/pop3d-ssl 」をエディタで編集します。
POP3DSSLSTART=NO ← YES から変更
それではメールボックスの作成と Postfix 側の設定を行います。
メール Box の作成
新規ユーザ作成時に、デフォルトでメールディレクトリを作成するために「 /etc/skel 」に root 権限でメールディレクトリを作成しておきます。
# /usr/lib/courier-imap/bin/maildirmake /etc/skel/Maildir
既存のユーザには個別に作成してやります。
# su username
$ cd ~
$ /usr/sbin/maildirmake Maildir
Postfix の設定
Postfix を Maildir に対応させるため、Postfix の設定ファイルである「 /etc/postfix/main.cf 」をエディタで開き、以下の編集を行います。
メールBoxの指定
#home_mailbox = Maildir/
↓コメント削除
home_mailbox = Maildir/
スプールディレクトリの指定
mail_spool_directory = /var/spool/mail
↓コメント追加
#mail_spool_directory = /var/spool/mail
設定が終了したら Postfix の再起動を行います。
# /usr/sbin/postfix reload
qpopper の削除
今後、POP3 を使わない場合は qpopper を削除します。
# rpm -e qpopper
ルータの設定
IMAP は 143 番ポートを使いますので、ルータの設定で 143 番を開きましょう。
これで IMAP の設定は終了です。
IMAP に対応しているメーラーで十分に動作確認を行ってから運用を開始してください。